この文書で分かること
Claude Code(クロード・コード。Anthropic社が提供するAIエージェント=指示を受けて複数の作業を自分で進めるAI)を初めて起動したとき、画面に何が出て、どこに文字を打ち、AIが何をしているのかを説明します。操作そのものは難しくありません。「今、目の前で何が起きているか」が分かっていれば、黒い画面への抵抗感はかなり減ります。
起動すると何が出るのか
配布された作業環境フォルダには、ダブルクリックするだけで起動するファイルが用意されています(Macなら「ここをダブルクリックして起動.command」)。ダブルクリックすると、まず黒い画面(ターミナル。マウスではなくキーボードで命令を打つ画面のことです)が開きます。
最初に表示されるのは、この作業環境自身が用意した案内文です。「中小企業診断士 AI作業環境」という見出しと、今どのフォルダで作業しているか(作業フォルダの場所)、そして最初に打ってみる文章の例が表示されます。ここまではまだAIが動いているわけではなく、あらかじめ用意された案内メッセージです。
その数秒後、Claude Code本体が起動します。画面の下のほうに、文字を打つための四角い枠(入力欄)が出てきます。この枠が表示されたら準備完了です。それより上の部分には、これまでのやり取りが記録として積み上がっていきます。
初めて起動するときだけ、「開発元を確認できないため開けません」という警告が表示されることがあります。これはAIの不具合ではなく、パソコン自体が持っている初回確認の仕組みです。起動用ファイルを右クリックして「開く」を選び、表示された画面でもう一度「開く」を押せば進めます。次回からはこの警告は出ません。
どこに文字を打つのか
打つ場所は、画面下のほうにある入力欄だけです。マウスでクリックして選ぶ場所は特にありません。キーボードでそのまま日本語の文章を打てば、その入力欄に文字が入っていきます。打ち終えたらEnterキー(改行キー)を押すと、AIに指示が送られます。
AI専用の命令文のようなものを覚える必要はありません。誰かに仕事を頼むときと同じ言葉で構いません。多少の言い回しの違いや誤字があっても、AIは意味を汲み取って動きます。一字一句正確に打つ必要はありません。
湘南精密工業について、初回ヒアリングの議事録を読んで、課題を3つに整理してください。
この一文をそのまま打ってEnterを押すだけで、AIが動き始めます。
AIが答えを返すまでに何が起きているのか
Enterを押した直後、画面はすぐには止まりません。AIは次の3つを、順番に、あるいは組み合わせて行っています。
- 考えている:指示の意味を読み取り、何をすべきかを組み立てています
- ファイルを読んでいる:指示された支援先のフォルダを自分で開き、議事録や実測データなど必要な資料を探して読みに行きます。ファイルを開いてコピーする作業は不要です
- 書いている:整理した結果を、指定された場所に新しいファイルとして保存します
作業中は、画面に小さな動きや、今どんな作業をしているかを示す短い表示が出続けます。この表示が動いているうちは、AIは止まっているのではなく、実際に手を動かしている最中です。資料の量や指示の複雑さによって、数十秒から数分かかることがあります。途中で何度もEnterを押したり、他の文字を打ち込んだりせず、表示が落ち着くまで待ってください。
終わり方
作業を終えるときは、次のどちらかで構いません。
- 入力欄に
exitと打ってEnterを押す - ターミナルのウィンドウをそのまま閉じる
保存のための特別な操作は必要ありません。AIが指示どおりにファイルを書き出した時点で、その内容はもうフォルダの中に保存されています。終了そのものが、何かを消す操作になることはありません。次に作業するときは、同じ起動用ファイルをもう一度ダブルクリックすれば、新しいやり取りとして始められます。
壊れないので安心してよい理由
「操作を誤ってパソコンを壊してしまうのでは」という不安は、自然な感覚です。この配布環境には、その不安に対応する仕組みがあらかじめ組み込まれています。
- ファイルの一括削除・パソコンの外部への送信・インターネット経由の書き込みは、そもそも実行できないよう設定で止めてあります
- ファイルの削除や移動など、慎重さが必要な操作は、実行前に必ず「よろしいですか」という確認が挟まります。内容を読んで、意図した操作だと分かったうえで許可すれば進みますし、不安なら断ってよいものです
- 資料を読む・書き出す・支援先フォルダに保存するといった、この講座で行う通常の作業は、確認なしでそのまま進みます。そうでなければ、演習のたびに確認だらけになってしまうためです
つまり「危ないことは自動的に止まる。普通の作業は止まらない」という設計です。何か操作を間違えたとしても、パソコンの他の部分やインターネット上の何かに影響が及ぶことはありません。まずは手を動かして、この安心感を実感してください。